定期メインテナンスの重要性
歯科における病気の大半はむし歯で歯を削る、歯周病によって歯を抜くといった外科的な治療になります。当然のことですが、一度削った歯、抜いた歯は元には戻りません。そのため、治療をすることよりも、治療が必要な状態にならないことが大切です。有名な論文で、同じ歯を5回治療すれば歯の傷は大きくなり、その歯は抜歯をしなければならなくなると言われています。(sheiham,1994)定期メインテナンスによって、むし歯や歯周病を予防することがとても大切です。
当院の定期検診の特徴
当院では、歯科衛生士による予防処置に取り組んでいます。患者様に、なぜむし歯や歯周病になるのかを理解していただき、治療後も約3~6ヶ月に1回ごとのメインテナンスに通っていただいています。定期的にメインテナンスに通っていただくことで、もしむし歯ができていたとしても早期発見・治療ができれば、治療期間は最小限に抑えられます。一人一人の患者様によって異なるお口に合わせて、できるだけ長く良好な状態を保っていただけるよう、スタッフ全員でサポートさせていただきます。
定期メンテナンスで行う内容
- 口腔内検査
(むし歯や歯周病などお口に変化がないかのチェック、高御腔内写真) - バイオフィルム(お口のネバネバ)の除去
- 歯垢・歯石除去
- 着色除去
- 歯周病検査
- ブラッシング指導
マイクロスコープを使った
予防治療
当院では、歯科衛生士もマイクロスコープを使用しています。定期検診などの際に、マイクロスコープを用いた精密な処置(スケーリングによるクリーニング)を行うことで、肉眼で見るよりも正確に歯石のみを除去します。これにより、痛みも少なく処置も短時間ですみます。細部までしっかりとキレイにすることで、健康的なお口の維持を長期間持続させることを目指します。
予防処置の必要性
「歯を失う」主な原因は、むし歯や歯周病などの病気です。歯は老化現象によって自然に失うものではありません。つまり、むし歯や歯周病にならなければ、歯を失うことはないということです。歯科先進国のスウェーデンでは、「予防」が国全体の歯科医療方針として採用されています。スウェーデンでは、子供の頃から歯の検診・歯の健康づくりが生活の中に定着しており、80歳の時点でもほとんどの方が若い時とほぼ変わらない歯の本数を維持しています。日本人もその習慣が身につけば、大切な歯を一生涯守ることが出来るのです。
予防を効果的にするために
むし歯や歯周病を予防するには
予防処置には、歯科医院にて定期的な検診・メインテナンスを行う「プロフェッショナルケア」と、毎日ご自宅で行うブラッシングなどの「セルフケア」があります。これは、どちらか片方を徹底的に行っていれば良いというわけではありません。両方のケアを両立することで予防が効果的となり、大切な歯を生涯守り続けることが可能になります。より豊かな人生を送るために、ご自身の大切な歯を守るための予防を心がけましょう!
歯科用顕微鏡を使ったメンテナンス
歯科医院で行われるプロによる歯のメンテナンスが「PMTC」です。
「PMTC」とは Professional Mechanical Tooth Cleaning の略で、歯石除去や歯の表面の清掃を指します。
毎日きちんと歯磨きをしていても、磨き残しがどうしても発生します。
歯並びが悪い方はもちろん、歯並びが整っている方でも、完全に汚れを落とすことは難しいのです。
そこで、日常の歯磨きでは落とせない汚れを、歯科のプロが専用の機器を使って丁寧にクリーニングするのが「PMTC」です。
ただし、PMTCには注意点があります。 漫然と繰り返すだけでは、かえって歯にダメージを与えてしまうこともあるのです。
つまり、効果とリスクは常に表裏一体です。 そのため、最大限の効果を得つつ副作用を抑えるには、
「よく診ながら」行うことが重要になります。 また、定期的な検診を受けていても、肉眼だけでは見落としが生じることがあります。
そこで活躍するのが 歯科用顕微鏡 です。 歯科用顕微鏡を使うことで、
細かい部分までしっかり確認しながら歯のメンテナンスを行うことができ、歯へのダメージを最小限に抑えられます。
当院では、すべての歯科メンテナンスを歯科用顕微鏡を用いて精密に行い、よりプロフェッショナルなクリーニングをご提供しています。
1お口の状態をチェックします
しっかりご自身で歯磨きが出来ているか、歯垢(プラーク)が付着していないかチェックします。
2クリーニングをします
超音波スケーラーで歯石や歯垢を取り除きます。超音波スケーラー は、歯石やプラーク(歯垢)を効率的に取り除くための専用器具です。先端が高速で振動することで、歯に付着した汚れを削り落とすことができます。従来の手用スケーラーと比べて、短時間で広範囲の歯石除去が可能で、歯や歯ぐきへの負担も軽減されます。特に、歯周ポケットの奥深くや歯と歯の間など、手では届きにくい部分の清掃に効果的です。
3歯面を磨きます
専用の研磨剤を使用してゴム製の小さなカップ状の器具で、歯の表面を回転させながら磨きます。歯垢や軽度の着色を落とすのに効果的で、歯の表面をツルツルに仕上げられます。
4完了
歯垢や歯石が除去されきれいな状態になりました。表面をつるつるにすることで汚れが付着しにくくなりますので定期的なメンテナンスは虫歯や歯周病リスクの回避に非常に重要です。
ご自宅で行うセルフケア
ブラッシング
毎日しっかりブラッシングをしているつもりでも、磨き残しはどうしてもできてしまうものです。また、磨き方によっては歯や歯茎に傷をつけてしまうこともあるため、一人一人に合った歯ブラシやブラッシングの仕方を丁寧に指導いたします。歯科医師や歯科衛生士の指導による正しいブラッシング方法を習慣にし、継続的に行っていきましょう。
POINT
毛先の開いた歯ブラシは、しっかりと歯に当たらないため汚れが十分に除去できません。1ヶ月に1本を目安に歯ブラシを交換し、磨きやすい状態を常にキープしましょう。